大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1519 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの上告趣意及び同弁護人上田誠一、同佐野潔の上告趣意は、後に添えた

書面記載のとおりである。

弁護人の上告趣意について。

所論は、原判決が憲法一四条一項に違反すると主張するのであるが、その実質は、

物価統制令一一条但書の解釈の誤りを主張するのであるから、刑訴四〇五条の上告

理由にあたらない。また、炭鉱経営者が、その炭鉱に使用する労務者に加配米とし

て支給するため、米麦を買い入れる行為は、物価統制令一一条但書にいう「当該契

約ヲ為スコトガ自己ノ業務ニ属スル」場合に当ると解すべきであつて原判決になん

ら同条の解釈について誤りはない。(参照昭和二四年(れ)第一六八一号同二六年

九月四日第三小法廷判決、集五巻一〇号一八三五頁)

被告人の上告趣意について。

所論は、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。記録を調べて見ると、原審判決

は、被告人からも、控訴趣意書が適法に提出されその後それが有効に撤回された形

跡がないのに、弁護人の控訴趣意についてのみ判断し、被告人の控訴趣意について

判断していないことは所論のとおりであるが、その内容を見ると法令違反の主張で

あつて、その主張自体で理由のないことが明らかである。このような場合には、被

告人の控訴趣意について、原判決が判断をしなかつたとしても、そのことは、判決

に影響を及ぼすものとはいえないから、刑訴四一一条を適用すべき事由とは認めら

れない。

よつて刑訴四〇八条により全裁判官一致の意見をもつて主文のとおり判決する。

昭和二七年三月四日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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